FX取引で両建てを考える

 相場を相手にした投資取引の手法に、両建てというものがあります。
FX取引で言うのであれば、同じ通貨ペアを用いて、買い注文からの通貨の保持と、売り注文からの通貨の保持を、同じ通貨枚数で発注することになります。

この両建ては、名前をよく知られている取引手法なのですが、その扱いがとても難しく、あまり用いられない手法でもあります。

この両建てを行うと、行った時点から為替差損益が発生しなくなります。もし片方の注文に含み損が出たとしても、もう片方の注文に含み益が出るために、これが相殺されることになり利益と損失が釣り合うからです。
もちろん、これを行うためにはそれぞれの注文の取引通貨枚数を合わせておかなくてはなりませんが、こうすることにより常にプラスマイナスがゼロになる状態になり、どんな木為替相場が変動しても、損益的には安定した状態になります。

しかし、これでは利益も損失も生まないために、投資取引を行わなくてもよい状態であるため、両建ての意味性が薄いのです。
この両建ては、一般的には防御手法として用いられます。先ほどのように相場の状態が不安定な場合は、一方の注文だけでは大きな損失を含む可能性があるために、正反対の取引きを行って両建てをすることで、これを固定し、相場の不安定が収まったのちにこれを外して乗り越える、などの用途で使われるのです。

FXでの取引きにおいては、この両建てを行うとそれぞれのスワップポイント同士の差額が取引きのコストとして発生することがあります。
通貨ペアの金利の差であるスワップポイントは、これを受け取れる場合と支払う場合があり、受け取れるスワップポイントよりも支払うスワップポイントの方が大きくなっていることがおおよそであり、これにより、両建て通貨を抑えて持ち続けていれば、このスワップポイントの差が取引業者側に回るために、それがコストになるのです。

このように、FXでは両建てを行う事にそれほどのメリットはなく、一時的に為替相場の乱高下を回避する程度の効果しかありませんので、そうした用途で使う以外にこの両建てを行っていく事は無いと思います。

FX取引業者によっては両建てを禁止している業者もありますが、それほどの効果はないので不安に感じることもないと思います。

他に考えられる可能性としては、複数の業者を利用して両建てを行い、スワップポイントを利用してその利ザヤを得ていくという方法もありますが、大きな資金が必要であったり、管理方法が難しかったりすることと、それほどの利益が見込める者でもありません。

また、税金対策の方法として、年をまたぐ際に両建てを行って利益を次年度に逃すという方法もありますが、大きな収益がある投資家以外には、それほど意味のある手法ではありません。

こうしたことから、FXでの両建てにはそれほどの有効性はありませんので、気にする必要はないでしょう。